ポイントを押さえて効率的に! 数Ⅲの概要と攻略法
勉強法
2019.02.15
目次
数Ⅲってどんな科目?
数Ⅲは数Ⅱの発展系。
理系しかやらないので、その内容に手加減はない。
なかなか理解しにくい部分もあるだろうが、理系なら避けては通れない。
大学で数学を使う人の試金石にもなる重要分野だ。
僕の先生は「数Ⅲができない理系は理系じゃない!」と言って数Ⅲができない人を「なんちゃって理系」呼ばわりしていた。
言い方はともかく、それくらい重要だということだ。
諦めずにがんばろう!
範囲は?
数Ⅱの範囲は現行課程の場合
・平面上の曲線と複素平面
・極限
・微分法
・積分法
の4分野から構成されている。
このうち「平面上の曲線と複素平面」と「極限」「微分法」「積分法」に大別できる。
さらに「平面上の曲線と複素平面」は「平面上の曲線」と「複素平面」に分割した方が説明しやすいので、以下5分野について説明する。
平面上の曲線
この分野は旧課程の「数C」に含まれていた。
「極限」「微分法」「積分法」と全く関係ないかというとそうではないが、陰関数の扱いも多いので、別分野とした方がいいだろう。
平面上の曲線ということで、放物線、楕円、双曲線といった関数を扱う。
ここまでなら数Ⅱと対して変わらないが、媒介変数や極座標を積極的に利用する点で、数Ⅱと比べてレベルが上がっている。
微分・積分の出題頻度が高いので、そこまで重要視しない人もいるが、ハイレベルな問題になってくると極座標変換した上で積分するような問題も登場する。
その際に極座標がさっぱりわからないのでは、計算のしようがないので基礎的なことだけでも押さえておこう。
複素平面
数Ⅱで学習した「複素数」の発展系。
「虚部と実部は分割して考えよう」と習ったと思うが、分割した実部を横軸に、虚部を縦軸にとったのが複素平面だ。
複素数を平面状に取り、xy成分で考えることから「図形と方程式」や「ベクトル」と相性がいい。
というか、図形問題も出題されるので、図形と方程式」や「ベクトル」の知識は必須となるだろう。
複素数 ×(図形と方程式 + ベクトル)= 複素平面
と思ったらいいだろう。
極限
数Ⅱの微分の導入で少しやったと思うが、あの時は軽く流す程度だった極限をより丁寧に学習する。
そのために、関数の定義について学習し、逆関数や合成関数も扱う。
数Ⅱの中途半端な説明でよくわからなかった人にとっては、再度学習できるのでありがたいかもしれない。
数Ⅱでわからなかったからと言って、やる前から投げるのは絶対にやめよう。
数Ⅱでは、極限の理解が適当でもなんとかなったが、数Ⅲで微分を行う場合はそもそも微分できるのかも検討しなければならない。
そのときに関数の連続性・微分可能性といったことがわかっていないと、お話にならない。
細かい話でめんどくさいかもしれないが、きちんと押さえておこう。
微分法
数Ⅱの微分法との違いは、「そもそも微分できるかのチェックが必要」「多項式関数以外の関数も扱う」という2点があげられる。
微分可能性については、チェックするのをクセにしてしまえば大したことはないが、sinやcos、logなどの微分となると公式が増えるので大変だ。
以下の記事でも説明しているが、最終的には覚えてしまう必要があるのだが、たまに公式の導出が問われることもあるので意味を理解する意味も含めて一度導出しておこう。
公式暗記論vs公式導出論 優れているのはどっち?
とはいえ、逆に微分の公式さえ押さえてしまえばやることは数Ⅱの微分と大して変わらない。
積分法
微分法と同様に数Ⅱに比べて覚えるべき公式が多いのが特徴。
公式を覚えていても工夫しないと積分できない場合も多々あるので、徹底的に練習しておく必要がある。
発想として真新しいものはないが、とにかく計算量が増えるので、「発想力」より「計算力」が問われることになる。
(たしかに、工夫して計算すれば楽になる場合もあるが、ここまで数学を学習してきた人からすると当たり前の工夫で、差がつくようなことではない。)
面積や体積の問題も同様に計算量が膨大になるので、覚悟しておこう。
このとき、図形をイメージするのが難しくなる場合がある。
練習すれば図示できるようになるので、図を描く練習も怠らないようにしよう。
具体的な学習スケジュール
数Ⅲは特にボリュームが多いので、分割して考えた方がいいだろう。
(内容が多すぎるというクレームが多かったのか、新課程からは数Cが復活する。)
「極限」「微分法」「積分法」と「平面上の曲線」「複素平面」に分けて進行しよう。
極限は定義について細かく考えるので頭を使うが、ここをおろそかにしていると思わぬところで失点することになる。
微分・積分にも影響するので、少々時間はかかってもきちんと理解しておこう。
微分法と積分法はセットで出題される場合が多い。
大まかな流れとしては、
1)y=f(x)を図示せよ。
2)x軸とy=f(x)に囲まれる部分の面積を求めよ。
といったかんじだ。
1)は微分して増減表を書き、図示すればいい。
2)は1)の図を見ながら積分範囲を求め、積分すればいい。
単純な話だが、このパターンさえ攻略してしまえば、大方の問題はケリがつく。
もちろん与えられる関数によって難易度は変わるが、それだけの差だ。
「面積」が「体積」に変わっても、変わるのは計算量くらいのもので、特別な発想が必要になるわけでもない。
まず基本パターンを完全にマスターした上で、区分求積などを学習していけばいいだろう。
「平面上の曲線」では楕円や双曲線などの二次曲線を学習するが、もっとも重要なのは、媒介変数表示と極座標表示だ。
媒介変数表示や極座標は微分や積分を行うときに非常に強力な武器になる。
二次曲線が重要でないというわけではないが、時間がないのであれば媒介変数表示と極座標表示を重点的に学習すべきだ。
「複素平面」は複合分野になるので、まず数Ⅱの「複素数」「図形と方程式」、数Bの「ベクトル」を復習した上で取り組もう。
「今なにをやろうとしているのか?」をきちんと理解して、頭を切り替えながら処理できるようになれば難しくはない。
複数の分野にまたがる複合問題が難しく感じるのは、どの知識を使えばいいのかわからなくなるから。
何をすべきかよく考え、解答に必要な材料を揃えるために何をしたらいいのか考えるようにしよう。
そうすれば、どの分野を使えば都合がいいかわかるはずだ。
数Ⅲまでくると学習してきた範囲が増えるため、複合問題も増えてくる。
問題を細切れにして、どの分野を使えば解答できるのか分析し、出てくるたびにその分野の復習を欠かさないようにしよう。
オススメ参考書・問題集
チャート
言わずと知れた高校数学参考書の王道。
時間に余裕のある1、2年生は積極的に取り組んで欲しい。
以下にレビューを書いているので、参考までに。
数学参考書の王道! 「チャート式 基礎からの数学」の使い方
理系数学の良問プラチカ Ⅲ
数ⅠAⅡBと比べてレベルは高めだが、入試で使うならこの程度のレベルの問題は攻略しておきたい。
問題と解答が分離していて、ノートが作りやすい点が個人的にポイントが高い。
まとめ
今回は数学Ⅲがどんな科目なのか解説した。
理系しかやらないということで、少々レベルは高めに設定されている。
ボリュームも多いので上手に計画しないと最後まで終わらないということにもなる。
「極限」「微分法」「積分法」と「平面上の曲線」「複素平面」に分けて進行するのがベターだろう。
定義を扱う分野「極限」については時間をかけて何をやっているのか理解するようにしよう。
その他の分野はこれまでやってきたことを発展させるだけで大体なんとかなるが、公式もたくさん登場するので、暗記も必要になってくる。
覚えるべきものと、式変形で導けるもの、覚える必要のないものを分けて押さえよう。
そしてなにより、数Ⅲで求められるのは計算力。
やることがわかっていても、答えが合わなければ点数にならない。
徹底的に演習を行い、答えが合うようにとレーニングしよう。
数Ⅲは分量が多く、丁寧に解説していると膨大な文章量になるので、今回はかなりざっくりとした解説になってしまった。
より詳細に学習計画や参考書のアドバイスが欲しい場合は下記からラインしてもらえれば対応するので、お気軽にどうぞ。
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